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転換期を迎える既存タクシーvs配車アプリタクシー

2018 年3月30日

ベトナムでは近年、従来型のタクシー企業(Vinasun、MaiLinhなど)と配車アプリを通じて輸送サービスを提供する企業(Uber、Grabなど)の争いが激化している。後者の企業は4年ほど前から事業を展開、ITを活用した使いやすいインターフェースに加え、価格面やドライバーの身元保証・評価制度を通じた安全性などの面で従来型の企業を圧倒、2016年頃からタクシー市場におけるシェアを大きく伸ばしてきた。

今年に入り、このような企業間の競争に影響を与えうる動きが3つほど相次いで起きているため紹介したい。

 

“Vinasun vs Grab ついに法廷闘争へ”

今年2月、ベトナム南部を中心に展開する従来型大手タクシー企業Vinasunが大手配車アプリ企業Grabに対して不正競争を主張して裁判所に訴えを起こした。

Vinasunはベトナム最大手の従来型タクシー企業であり、2010年以降順調に売上・利益を伸ばしてきたが、Uber、Grabが参入した2014年頃からその成長に歯止めがかかり、2016年上半期以降は業績が右肩下がりとなっている。

 

    

 

一方のGrabは上述の理由で顧客の獲得に成功している。アプリを通じた手数料徴収というビジネスモデルのため数値による単純な比較は出来ないが、いまや利用可能な車の台数はVinasunの6300台をはるかに超える17000台に上るとされていることなどからその勢いが窺える。

VinasunはGrabに対して、Grabが低価格でサービスを提供し顧客を獲得できるのは、課税負担が少なく車の台数制限も適用されないIT企業として登録しているからで、本来なら実質的なGrabのビジネス形態に沿って輸送企業として登録すべきであり、現状の是正とこれまでの不正競争によりVinasunに生じた2億円あまりの損害を賠償すべきだと主張している。これまでもそういった主張をしてきたが、今回裁判に訴えることで公的にも認めさせようとする意図があるのだろう。

裁判自体はまだ始まっていないが(2018年3月7日時点)、この裁判の結果は今後のGrabのビジネスモデルの根幹に関わってくるため注目を集めている。

 

“ハノイ中心部道路のUber, Grabによる通行禁止提案”

従来型タクシー会社はまた、ロビー活動によりUberやGrabの勢いを止めようともしている。その成果の一つとして、ハノイ市交通運輸局は今年2 月、UberとGrabのハノイ市内の主要道路11本における通行を制限することをハノイ市人民委員会に提案した。基本的には混雑緩和を狙ったもので、ラッシュアワーの時間帯のみの通行禁止となるが、もしこれが実現すれば、ラッシュアワーはUberやGrabにとってもビジネスチャンスであるので大きな打撃となる。

 

“Uberが東南アジア事業をGrabに売却”

さらに今年3月末、Uberが東南アジア事業をGrabに売却することを発表した。これによりベトナムにおける配車アプリ市場はGrabがほぼ独占することになり、この勢いのまま配車アプリが伸び続けるとベトナムにおけるGrabの成長は一段と弾みがつくものとなることが予想される。

 

従来型タクシー企業と配車アプリ企業との競争およびそれをとりまく動きは今後激しさを増しそうだ。

 

参照サイト

http://dtinews.vn/en/news/017004/55368/uber–grab-proposed-to-be-banned-from-11-streets-in-hanoi.html

https://www.hsx.vn/Modules/Listed/Web/SymbolView/161